成年と未成年

  • 2019.02.15 Friday
  • 15:56

20183月の閣議決定を経て、20186月、「民法」の改正が参院本会議で可決され、

202241日から、成人年齢が20歳→18歳に引き下げられことになりました

 

ちなみに、世界の“成人年齢”を見てみると

ほとんどの国が18歳を成人年齢としているようです。

 

では、この引き下げが、日本人や日本に在留する外国人にどのような影響を与えるのでしょうか。

以下、成人年齢の引き下げによる、主な影響を挙げてみました。

 

 

【変わること】

 

〃觝Г任る年齢

日本では、結婚できる年齢が、現在は、

女性は16歳、男性は18歳、となっていますが、

施行後は、男女共に18歳から、となります。

※女性に限って16歳→18歳に引き上げとなっていますが、これは男女平等の観点からの変更のようです。

 

刑事罰

20歳未満の未成年は、「少年法」が適用されていましたが、

施行後は、「少年法」が適用されるのは、18歳未満となります。

 

 

 

【変わらないこと】

^酒・喫煙・ギャンブル

成人年齢が引き下げられても、お酒やたばこ、ギャンブルについては、

これまで同様、20歳から、です。

 

国民年金

成人年齢が引き下げられても、今のところ、年金の納付義務は20歳から、というのは、

変わらないようです。

 

 

ところで、20194月より、入管法の改正が行われ、

現在細かいところの規定が急ピッチで進められていますが、

この成人年齢の引き下げは、日本に住む外国人にどのような影響を与えるのでしょうか。

 

 

考えられるのは、例えば、

「定住者」の在留資格の中の告示に、

-------------------------------------

6号イ 日本人、「永住者」又は「特別永住者」の在留資格をもって在留する者の扶養を受けて生活する、これらの者の未成年で未婚の実子

6号ロ 「定住者」(ただし、1年以上の在留期間を指定されている者に限る)の在留資格をもって在留する者の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子

6号ニ 日本人、「永住者」の在留資格をもって在留する者、「特別永住者」又は「定住者」(ただし、1年以上の在留期間を指定されている者に限る)の配偶者で、「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」をもって在留する者の扶養を受けて生活する、未成年で未婚の実子」

-----------------------------------

というのがあります。

いずれも「未成年」という言葉がありますが、

これの指す年齢が、民法改正後は20歳→18歳に引き下げられるということです。

つまり、例えば永住者の扶養を受けて生活する19歳(未婚)の実子は、

この告示の対象外となってしまうというわけです。

 

 

一方、「家族滞在」の場合は、もう少し曖昧で、

「就労ビザ等の在留資格をもって在留する外国人の扶養を受ける場合(配偶者又は子)」となり、

「未成年」という規定はありません。

なので、現在も、“扶養を受ける”という実体的な部分に鑑み、

実務上は、だいたい2223歳くらいが“扶養を受ける”子としての上限年齢だとしてとらえられています。

つまり、だいたい大学卒業くらいの年齢ですね。

おそらく、民法改正後の20224月以降も、この感覚は変わらないのではないかと推測されます。

 

 

また、「帰化申請」において、法的根拠となる「国籍法」についても、

この民法の改正を受けて、改正が行われます。

例えば、

国籍法の第5条第2項では、帰化申請ができる要件として、「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」と定めていますが、

施行後は、この年齢が18歳に引き下げられることが決まっています。

更に、重国籍者の国籍選択期限の基準年齢も18歳に引き下げられるため、

出生時に国籍留保を行っている場合などは、現行法では22歳までに選択を行えばよかったところ、施行後は20歳までに選択する必要が出てきます

 

なお、既に、選挙については18歳からとなっていますが、

選挙で投票できるということは、自分の意見を政治に反映さえていけるということで、

“オトナ”の一員として、しっかりとした考え方と行動が要求されます。

 

 

日本の成人年齢が20歳→18歳に引き下げられる、この民法の改正。

決して、外国人にとっても他人事ではないのです。

 

 

 

 

 

 

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同じ「家族滞在」の在留資格でも…

  • 2019.02.01 Friday
  • 16:18

「家族滞在」の在留資格(以下、「家族滞在ビザ」)は、

「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「投資・経営」,「法律・会計業務」,「医療」,「研究」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」,「企業内転勤」,「興行」,「技能」,「文化活動」,「留学」

のビザを持つ外国人の扶養を受ける配偶者又はに与えられる在留資格です。

 

そして、「家族滞在ビザ」では、

配偶者や実子であることを示す書類も重要ですが、

それ以上に、扶養能力を示すことが重要です。

 

さて、上記の在留資格のうち、「教授」〜「技能」までは就労関係の在留資格になりますが、

「文化活動」と「留学」はそうではありません。

 

就労関係の在留資格の場合、扶養者に収入があるため、扶養能力を示すのは比較的簡単です。

しかし、「文化活動」や「留学」の在留資格の場合、就労ビザのように扶養能力を示すのは容易ではありません

 

例えば、扶養者にあたる方が「留学ビザ」の場合、

原則として本人に収入がないはずなわけですから、両親や親戚等(経費支弁者)からの援助が必要となるわけです。

その証明として、送金記録や通帳の写し等を提出し、

だいたいの生活費はこんな感じで、これくらいの送金が必要ですが、

実際にこのくらいの頻度で送金してもらっているから、生計面は問題ないですよ。

と説明していくわけです。

 

しかし、実際には「資格外活動許可」をとってアルバイトをしているから、その収入で生活できている。だから、本当はそんなに送金してもらってない。

という方もいます。

 

例え、「資格外活動許可」の範囲内であっても、アルバイトで稼いだ生活費は、原則として扶養能力としては認められません(※)。

なぜなら、「留学ビザ」は学業を本分とする在留資格で、アルバイトで得たお金はあくまでも臨時的な収入に過ぎず、安定的な収入であるとは言い難いばかりか、

アルバイトに夢中になって、本分である学業を疎かにしたのではないかという懸念があるからです。

よって、きちんと“経費支弁者”から援助してもらっている証拠が必要となるのです。

 

※厳密にいうと、入国管理局の審査要領によると、

扶養者が「留学」の在留資格である場合、扶養者及び被扶養者の在留状況を斟酌し、扶養能力を柔軟に審査する、とあります。

また、扶養者及び被扶養者が資格外活動許可の範囲内において行ったアルバイトによる”預貯金”も、扶養能力として認める、とあります。

しかし、やはり実態に応じての審査となり、このような申請をする場合は、楽観的にとらえず慎重な申請を行うべきだと考えます。

 

 

 

 

 

 

 

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入国前の結核検査の義務化について

  • 2019.01.22 Tuesday
  • 13:32

 

日本における結核による死亡者数は、1947年をピークに減少してきましたが、

現在でも毎年18,000人前後の人が発症し、2,000人前後の方が結核で亡くなっています。

これは、先進諸国の中でも高い数字(欧米先進諸国の3倍以上)となっており、近年は外国からの感染数の増加も指摘されています。

 

そもそも、結核罹患者は「出入国管理及び難民認定法」(通称、入管法)により、上陸拒否事由とされていますが、(入管法第5条第1項第1号)

入国において、結核に罹患していないことを証明する資料の提出は求められていないため、自覚症状がない場合、上陸できてしまっているのが現状です。

 

そこで、厚生労働省は2018226日、

外国からの入国者への結核対策を強化する目的で、

90日以上の期間日本に滞在する予定の訪日外国人に対し、

ビザ申請時に「結核非罹患証明」か「結核感染性消失・治癒証明」の提出を求め、感染の拡大を防ぐ方針を提案していました。

(ちなみに、主要先進国の多くは、結核の高蔓延国からの入国等に対して何らか入国前のスクリーニングを実施しています。)

 

そして、いよいよ今年から始まる、外国人材の受入れ拡大に関連して、

日本政府は、日本の長期滞在を予定する外国人に対し、入国前に指定病院で検査を受けることを義務付ける取り組みを始めるとのことです。

 

この検査の対象となる国は、

留学や技能実習制度による入国者が多く、外国生まれの新規患者数の約8割を占める、

フィリピン、中国、ベトナム、ネパール、インドネシア、ミャンマー

6か国となっています。

状況によって、今後対象国が増えていく可能性もあります。

 

対象となった国の訪日外国人の方のうち、90日以上の長期滞在を予定する場合

ビザ発給の要件として、「結核非罹患証明」「結核治癒証明書」の提出が求められるようになるため、

指定病院において検査を実施し、上記証明書発行してもらう必要がでてきます。

 

今後、相手国との調整を進めて、2019年度中にも実施する方針とのことですので、

動向を注視する必要がありそうです。

 

 

 

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