子どもが生まれたら・・・

  • 2019.09.18 Wednesday
  • 15:23

外国人夫婦の間に子どもができて、日本で出産する場合の流れについて、

どの段階で何の手続きをすればいいのか、

母国の習慣とは異なることも多いと思いますので、

主に在留資格の観点から、一般的な流れについてご説明します。

※各個人のケースによって違いがありますので、詳細はその都度担当機関にご確認ください。

 

(1)妊娠が判明したら

まずは産婦人科を受診し、医師より母子手帳をもらってくるように言われたら、

住民登録をしている役所に行って、母子手帳をもらいます。

母子手帳は、日本独特のシステムですが、出産までの母体の管理や産後のお子さんの様子を把握するのにとても便利です。

また、母親が会社に勤務している場合などは、社会保険の手続きなどにも使用することがあります。

 

(2)出産後の手続き−出生の届出−

日本で出産した場合、母親は通常3~5日くらいで退院します。

ほとんどの病院では、退院時に「出生届」を渡してもらえるため、

この「出生届」と母子手帳をお住まいの役所に持参します

すると、「出生届受理証明」が取得でき、母子手帳には役所が出生についての証明書を書いてくれます。

また、この時に、お子さんのマイナンバーが記載された住民票も発行してもらいましょう。

 

(3)出産後の手続き−在留資格取得−

子どもが日本で出生した場合、出入国在留管理局で在留資格取得の手続きを行い、

在留カードを取得する必要があります。

これは、出生から30日以内に行う必要があります。

※父母どちらかが永住者の場合、お子さんは出生時から永住者の在留資格が取得できます。

※手続きには、上記の「出生届受理証明」が必要になります。

 

(4)出産後の手続き−お子さんの扶養の手続き−

扶養者がお勤めの会社に、お子さんを被扶養者に入れてもらう手続きをしてもらいます。

このとき、お子さんのマイナンバーが必要になります。

手続が無事に完了すると、お子さんの健康保険証が発行されます

※扶養者が国民健康保険の場合は、各自治体での手続きになります。

 

(5)お子さんに関する手続き

お子さんは、出生後1カ月くらいに、一般的には出生した病院で、1カ月健診を受けます。

その際に、健康保険証が必要になりますが、健康保険証の発行までには結構時間がかかるため、

1ヶ月健診に間に合わないこともあります。

その場合は、保険証が発行されてから病院にもっていくと、差額分を返金してもらえます。

 

 

その後も、日本では定められた定期予防接種というものがあり、

自治体から健診表が送られてくるので、対象の予防接種は基本的に無料で接種することができます。

また、3ヶ月健診や9カ月健診、1歳半健診、3歳児健診などがあり(自治体により時期は異なります)、

これらも無料で各自治体の保健センターや小児科で受診することができます。

更に、未就学児は病院を受診しても無料又は低額で受診できる自治体が多いのです(これも自治体により対象や金額が異なります)。

 

 

子育てに関する考え方も、日本と母国では異なることもあり、慣れないことも多いかと思います。

また、病院を受診する際には、これまで聞いたこともないような日本語を耳にして、不安になることもあると思います。

わからなかったら、思い切ってお住まいの自治体に問い合わせを行う等して、乗り切りましょう。

 

 

同性婚パートナーに「定住者」の資格が認められる可能性

  • 2019.09.05 Thursday
  • 11:31

以前、同性婚のパートナーに認められる在留資格として、「特定活動」の可能性があることを掲載しました。

参考:「同性婚、パートナーのビザは何?!」

 

しかし、前回も言ったように、「特定活動」の在留資格が付与されるためには、

原則として、本国において、同性婚として成立している必要があります。

つまり、外国人同士の同性カップルが主な対象となっており、

日本人との同性婚の外国人パートナーは、いわば”対象外”の扱いを受けてきました。

 

ところが、2019年3月には、

25年間日本人のパートナーと連れ添ってきた台湾籍のゲイの方に、在留特別許可が下り、

「定住者」の在留資格が認められました。

そして、先日、26年間にわたり不法滞在中で、15年以上日本人のパートナーと婚姻関係同然の生活を送ってきたトランスジェンダーの外国人女性(法律上は男性)にも、在留特別許可が下り、

同じく「定住者」の在留資格が認められました。

 

日本では、現在同性婚を認めておらず、婚姻関係の成立は男女の間にのみ成立することとなっており、

日本人との婚姻関係を前提とする在留資格である「日本人の配偶者等」は、上記のようなパートナーの外国人には認められません。

 

しかし、今年に入って上記のように、2件の「定住者」の在留資格が認められました。

「定住者」の在留資格は、定められている「告示」とは別に、「告示外」のものもありますが、

「告示外」については定められた要件は特にありません。

故に、審査の過程において、申請人の日本での”定住性”が重視され、それは自ら立証する必要があります。

今回は、おそらく外国人パートナーの定住性の審査の一環として、

このカップルの関係の安定さや真剣さ等が審査の判断基準に加わったものと予想されます。

 

昨今、LGBTQの方の保障が注目され、条例でパートナーシップ制度を導入する自治体も増えてきました。

ニュースでも取り上げられ、社会の認知度も高くなってきたように思います。

また、G7の中で、同性婚や同棲パートナーシップを認めていないのは日本だけのようです。

だからと言って、何でもかんでも外国に倣え!というのは

各国の文化背景や世論、制度もあるため、甚だおかしな話ですが、

少なくとも、今回の出入国在留管理局の判断は、

多くの同性カップルに一筋の光となったことは間違いないと思います。

 

 

2018年の在留資格取消件数が公表されました

  • 2019.08.30 Friday
  • 16:24

 

先日、法務省は、在留資格取消件数について最新のプレスリリースを公表しました。

→参考:http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri10_00057.html

 

これによると、2018年に在留資格の取消しを行った件数は832件で、

前年の385件に比べて2倍以上の数になっています。

 

その内訳をみると、「留学」が412件と最も多くなっていますが、

「日本人の配偶者等」は80件で、全体の9.6%を占めています。

 

また、取消し事由ですが、

最も多いのが、”3ヶ月以上該当する活動をおこなっていない(取消事由5号)”

というものです。

 

 

公表の内容によると、

2018年の取消し件数のうち、取消事由2号(偽りその他不正の手段による在留資格取得)に該当するものが、全体で100件、

在留資格別にみると、「日本人の配偶者等」が47件と、最も多くなっています。

 

ここ数年、在留資格の審査は全体的に厳格化していますが、

「日本人の配偶者等」についても例外ではなく、

特に在留資格認定証明書交付申請については、審査期間も長期化している傾向にあります。

 

前回までは大丈夫だった、友達は大丈夫だった、というのはもちろんあてになりませんが、

自分はきちんとした結婚だから大丈夫、というのも、

立証責任は申請人側にあるため、きちんと立証できる書類を揃えて申請しない限り、何の意味もない根拠になります。

 

 

とにかく、現在の審査状況を踏まえて、万全を期して申請するのが求められています。