【報道】「不正入国」偽装結婚による逮捕

  • 2017.12.21 Thursday
  • 11:22

偽装結婚により不正に入国したとして、

韓国人の女らが警視庁に逮捕されたとの報道がありました。

 

女(43)らは、2017年4月に日本人の男(65)と結婚しているように装ってビザ申請を行い、

在留資格(日本人の配偶者等)の許可を不正に受けた疑いがもたれています。

 

報道(FNN)は次のように伝えています。

「2人は偽装結婚が発覚しないよう、互いの家族をそれぞれの国に招待し、

家族写真を撮るなど偽装工作をしていた。」

「入管難民法は2016年、結婚の実態がないのに在留資格を申請しただけでも罪に問われるよう改正され、

その規定が適用されるのは、今回が初めて。」

 

 

上記でいうところの入管法改正は直近の2016年11月改正を指します。

同改正(2017年1月1日施行)では、『介護』ビザの新設に加え、

偽装滞在者対策の強化が図られました。

 

具体的な改定点は下記2点です。

 

・偽装滞在者に係る罰則の整備

・在留資格取消制度の強化

 

上記のうち、今回の報道で取り上げられているのは前者(罰則)です。

改正入管法では次のように規定されています(赤字・太字引用者)。

 


第九章 罰則
第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
一 第三条の規定に違反して本邦に入つた者
二 入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者
二の二 偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は第四章第二節の規定による許可を受けた者

(以下省略)


 

今回の改正で上記太字の「二の二」号が新たに加わったことで、

偽装結婚等による虚偽申請によりビザを取得した者は罰則の対象になりました。

 

★ここで注意すべきなのは、この規定はもちろん偽装結婚に限ったことではありませんし、

上陸許可(在留資格認定証明書交付申請)の場面だけではないという点です。

 

前掲の規定にあるように「第四章第二節の規定による許可」、

具体的には下記許可もすべて対象に含まれるのです。

 

・在留資格の変更許可を受けた者
・在留期間の更新許可を受けた者
永住許可を受けた者 等

 

さらに、

営利目的でこのような行為を行うことを容易にした者(つまり手助けをした者)については、

通常の幇助犯処罰の刑(正犯の法定刑の半分)よりも重い3年以下の懲役又は300万円以下の罰金のいずれか又は両方を科すものとされています(入管法第七十四条の六)。

 

虚偽申請は、れっきとした“犯罪”ということです。

そのため、当然のことながら、真実に基づいた情報を正しく申告し、

公正な書類により証明していくことが何よりも大切です。

 

今回の逮捕は、残念ながら氷山の一角のように思えてなりません。

 

 

 

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ビザの標準審査期間

  • 2017.12.20 Wednesday
  • 11:35

ビザの申請から許可までの期間を“処理期間”(または審査期間)といいます。

これまでも、だいたいの処理期間の目安は法務省HPに“標準処理期間”として掲載されてきましたが、今年度から、全国の地方入国管理局における在留審査の処理期間の平均日数が、在留資格ごとに公表されるようになりました。

 

→詳細はコチラ

 

処分日を基準とした四半期ごとの公表ですが、内容をみてわかるのは、

申請件数が近年急増していて、しかも申請資料も多い「経営・管理」や、偽装が多く審査に時間がかかる「技能」の在留資格を除くと(永住ビザの審査期間については公表の対象になっていないので、除きます)、

「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格の処理期間が、他の在留資格に比べて圧倒的に長いということです。

 

これは、これらの在留資格は他の在留資格に比べて活動内容が非常に自由であり、ある意味とても便利なビザといえます。そのため、偽装も多く、従来から慎重な審査が行われていました。それが、近年更に厳重化していることも関係しているのでしょう。

 

しかも、これは全国の平均なので、申請件数の少ないところや混みあっていない入国管理局では、審査期間が非常に短いことも多く、逆に首都圏(特に東京、大阪、名古屋)では非常に混みあい、申請件数も多いため、この数字以上に審査に時間がかかっているのが実態です。

 

愛する配偶者や子どもを早く呼び寄せたい、早く在留資格が欲しい。

その気持ちはよくわかります。

 

であれば(どれくらいの効果が見込めるのかは謎ですが)、“完璧”な資料と“完璧”な説明で、できるだけ審査期間を短くしてもらうことを試みるのも、申請側にとって必要な努力なのかもしれません。

 

 

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同性婚、パートナーのビザは何?!

  • 2017.12.13 Wednesday
  • 16:23

昨今、世界的に同性婚を認める国は増加傾向にあります。

ヨーロッパでは、イギリス、フランス、オランダ、スペイン、ノルウェー等で同性婚が認められています。

また、アメリカやカナダでも全面的に同性婚が認められています。

 

また、婚姻という手段ではないものの、登録パートナーシップ等の制度も、

フィンランド、ドイツ、イタリア、スイス、チェコ、オーストリア、ハンガリー等、多くの国や地域で認められています。

 

一方、日本の事情はというと、

憲法第24条に、

「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない」

と定められており、上記の“両性”とは、“男性”と“女性”を指すのだという解釈を根拠に、同性婚を認めない立場にあります。

 

しかし、2015年には、日本でも自治体ベースでパートナーシップ制度を定める動きが始まり、同年3月には渋谷区で同性カップルに対して「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する条例案が可決され、話題になりました。

現在では、このパートナーシップ証明は、世田谷区、三重県伊勢市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、北海道札幌市等で取り入れられています。

 

さて、日本国としては、法的に同性婚を認めていない以上、外国人の配偶者が日本に滞在する際の「配偶者ビザ」(日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)や「家族滞在ビザ」(就労ビザを持つ外国人の配偶者)は認められません。

なぜなら、これらは“法的な婚姻”を前提とするものだからです。

 

しかし、前述したように、世界中で同性婚を認める傾向にある中、世界の情勢に鑑み、法務省では2013年に既に以下のような通達を出しています。

 

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法務省管在第5357号

平成25年10月18日

地方入国管理局長殿

地方入国管理局支局長殿

 

法務省入国管理局入国在留課長 石岡邦章

 

同性婚の配偶者に対する入国・在留審査について(通知)

 

 在留資格「家族滞在」、「永住者の配偶者等」等にいう「配偶者」は、我が国の婚姻に関する法令においても有効なものとして取り扱われる婚姻の配偶者であり、外国で有効に成立した婚姻であっても同成婚による配偶者は含まれないところ、本年5月にフランスで「同性婚」法が施行されるなどの近時の諸外国における同性婚に係る法整備の実情等を踏まえ、また、本国で同性婚をしている者について、その者が本国と同様に我が国においても安定的に生活できるよう人道的観点から配慮し、今般、同性婚による配偶者については、原則として、在留資格「特定活動」により入国・在留を認めることとしました。

 

 ついては、本国で有効に成立している同性婚の配偶者から、本邦において、その配偶者との同居及び扶養を受けて在留することを希望して「特定活動」の在留資格への変更許可申請がなされた場合には、専決により処分することなく、人道的観点から配慮すべき事情があるとして、意見を付して本省あて請訓願います。

 

 なお、管下出張所長へは、貴職から通知願います。

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つまり、同性婚のパートナーの場合は、「特定活動」の在留資格において、入国・在留が認められるのです

 

ただし、上記通知をよく読めばわかるのですが、「本国で有効に成立している同性婚」とあります。

言い換えれば、「“本国で有効に成立していない同性婚”のパートナーには“特定活動”の在留資格は認められないということです。

どういうことでしょうか?

 

「永住者」や「就労ビザ」で日本に在留する外国人とそのパートナーの外国人が、本国で婚姻が有効に成立している場合は、「特定活動」の在留資格が認められるけれど、

日本では同性婚を法的に認めていないため、日本人とその外国人パートナーとの婚姻は、「本国で有効に成立している同性婚」ではないとされ、上記対応の対象外になるということなのです

 

しかし、イギリスは「Consular Marriage and Marriages under Foreign Law Order 2014」を2013年6月3日に施行し、在外英国大使館・領事館で同性婚登録ができるようになりました。

※当事国の法律で同性婚を認めていない、かつ在外英国大使館・領事館で同性婚登録を行うことに対し異議を持たない国においてのみ登録が可能としています。

 

つまり、駐日英国大使館においても、日本人とイギリス人の同性婚パートナーが登録できるようになったのです。

この場合、日本の戸籍に婚姻の記載を載せることは現状まだ難しいでしょうが、イギリス法では異性婚と同様に「本国で有効に成立している同性婚」と言えるので、もしかしたら「特定活動」の在留資格申請の余地があるかもしれません。

 

今後、同性婚のパートナーのビザがどうなるのか、見守っていきたいと思います。

 

 

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