高卒で就労できるか

  • 2019.03.08 Friday
  • 10:40

 

今年も、(花粉襲来とともに)卒業式のシーズンがやってきました。

全国の、学校を卒業される学生さん、おめでとうございます。

 

さて、学校を卒業される学生さんは、何も日本人だけではありません。

就労ビザ等を持っている外国人の子として、

「家族滞在」の在留資格を持って学校に通われていた学生さんもいらっしゃることでしょう。

 

 

「家族滞在」の在留資格を持つ方が、引き続き「家族滞在」で在留していこうとすると、

“扶養者に扶養されている”、という条件を満たし続けなければなりません。

 

しかし、子どももいつかは親から独立するもの。

例えば、扶養を外れるほどの収入がある場合や、子として扶養されるべきであろう年齢を超えた場合は、

「家族滞在」の在留資格を引き続き持ち続けることが困難になってきます。

 

その場合、

そうなる前に、家族と共に「永住」申請を行ったり、

学校に通っているのであれば、「留学」ビザに変更したり、

結婚したら、配偶者系の在留資格に変更したり、

という必要がでてきます。

 

しかし、中には、高校卒業後には働きたいと考える人もいるでしょう。

 

一般的に、「資格外活動許可」で定められた時間を超えて就労するためには、

何らかの就労系の在留資格を取得するか、

就労制限のない身分系の在留資格を取得するしかありません。

 

では、日本で育ってきた上記のような子供たちが、そのようなビザを取得できるのか、ということです。

 

 

就労系の在留資格を得るためには、学歴や職歴の要件がありますが、

一般的には、大学卒業相当の学歴が求められることが多く、

職歴についても、基本的にフルタイムで勤務したものが対象となるため、

どちらも現実的ではありません。

 

そこで、そのような方のために、「定住者」や「特定活動」の在留資格を取得できることがあります

対象となる方は、以下のとおりです。

 

※いずれも、資格外活動の範囲を超えた就労をする場合を対象としています。

 

◆「定住者」の在留資格への変更対象となる方

仝什漾◆峅搬佳攤漾廚虜瀘瓜餝覆覇本に滞在している

日本の義務教育の大半(※)を修了している

F本の高等学校を卒業、または卒業見込み

そ∀先が決定(内定でも可)している

ソ撒鐫呂瞭禄佚の公的義務を履行している

 

※めやすとして、小学校中学年(小3〜小4)までには来日し、少なくとも小学校4年生の約1年間は在学し、以降、中学校、高等学校を卒業する場合

 

以上 銑イ料瓦討両魴錣鯔たしていれば、

「定住者」への在留資格変更の可能性があります。

 

 

 

◆「特定活動」の在留資格への変更対象となる方

仝什漾◆峅搬佳攤漾廚虜瀘瓜餝覆覇本に滞在している

日本の義務教育を修了している

F本の高等学校を卒業、または卒業見込み

そ∀先が決定(内定でも可)している

ソ撒鐫呂瞭禄佚の公的義務を履行している

ι淪楴圓任△詆稻瑤亙譴汎欝錣垢

 

※めやすとして、少なくとも中学3年生の1年間在学し、以降、中学校、高等学校を卒業する場合

 

以上 銑Δ料瓦討両魴錣鯔たしていれば、

「特定活動」への在留資格変更の可能性があります。

 

 

「定住者」か「特定活動」の差は、

いつから(どれくらい)日本にいたのか、という点です。

小学校3〜4年生以前からずっと日本にいる場合は、「定住者」、

中学3年生以前からずっと日本にいる場合は、「特定活動」となるわけです。

在留カードの漢字表記

  • 2019.02.28 Thursday
  • 13:14

 

やや古い話になりますが、

2012年に在留管理制度が変更となった際に、それまでの「外国人登録証明書」から「在留カード」へと変更になりました。

その際、在留カードの氏名欄には、アルファベットでの氏名しか記載されない決まりとなりました。

 

しかし、中国や台湾、香港の方は、漢字表記の方が馴染みが深いですしょうし、

例えば、「張」さんという方がいたとして、

日本人は一般的に「ちょうさん」と呼びますが、

在留カードの表記は「ZHANG」となっていますし、パスポートの表記は「」となっていて、統一性がありません。

下手をすれば、同一人物かどうかの確認がとても面倒になってしまいます。

 

そこで、例えばパスポートや戸籍(に類似する書類)に漢字を使用してきた方の場合、

在留カードに、漢字氏名を表記することが可能です。

それが、「在留カード漢字氏名表記申出」という手続きがです。

 

ただし、在留期間の更新や在留資格変更等、在留カードが変更されるタイミング以外でこの手続きを行うと、

既存の在留カードを再交付するという手続きを行うことになるため、1300円の手数料がかかってしまいます。

 

なので、できれば、在留期間の更新や在留資格の変更を行うタイミングで、一緒に行うことをおすすめします。

しかし、在留資格認定証明書を持って入国された方の場合、このタイミングを待っていてはだいぶ先になってしまうため、

必要だと思う方は、「在留カード漢字氏名表記申出」の手続きだけ入国後に別途行うことになってしまいますね。

 

なお、この届出を行う場合、

・母国で漢字表記の氏名を使用していることを証明する資料(パスポートや戸籍書類等)

・既存の在留カード(再交付後、無効となり、在留カード番号も変わります)

・顔写真(3カ月以内に撮影。新しい在留カードに使用されます)

・手数料1300円(在留カード再交付にかかる手数料)

が必要となります。

 

 

また、行政書士等が取次で申請を行うこともできますので、お気軽にご相談ください。

成年と未成年

  • 2019.02.15 Friday
  • 15:56

20183月の閣議決定を経て、20186月、「民法」の改正が参院本会議で可決され、

202241日から、成人年齢が20歳→18歳に引き下げられことになりました

 

ちなみに、世界の“成人年齢”を見てみると

ほとんどの国が18歳を成人年齢としているようです。

 

では、この引き下げが、日本人や日本に在留する外国人にどのような影響を与えるのでしょうか。

以下、成人年齢の引き下げによる、主な影響を挙げてみました。

 

 

【変わること】

 

〃觝Г任る年齢

日本では、結婚できる年齢が、現在は、

女性は16歳、男性は18歳、となっていますが、

施行後は、男女共に18歳から、となります。

※女性に限って16歳→18歳に引き上げとなっていますが、これは男女平等の観点からの変更のようです。

 

刑事罰

20歳未満の未成年は、「少年法」が適用されていましたが、

施行後は、「少年法」が適用されるのは、18歳未満となります。

 

 

 

【変わらないこと】

^酒・喫煙・ギャンブル

成人年齢が引き下げられても、お酒やたばこ、ギャンブルについては、

これまで同様、20歳から、です。

 

国民年金

成人年齢が引き下げられても、今のところ、年金の納付義務は20歳から、というのは、

変わらないようです。

 

 

ところで、20194月より、入管法の改正が行われ、

現在細かいところの規定が急ピッチで進められていますが、

この成人年齢の引き下げは、日本に住む外国人にどのような影響を与えるのでしょうか。

 

 

考えられるのは、例えば、

「定住者」の在留資格の中の告示に、

-------------------------------------

6号イ 日本人、「永住者」又は「特別永住者」の在留資格をもって在留する者の扶養を受けて生活する、これらの者の未成年で未婚の実子

6号ロ 「定住者」(ただし、1年以上の在留期間を指定されている者に限る)の在留資格をもって在留する者の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子

6号ニ 日本人、「永住者」の在留資格をもって在留する者、「特別永住者」又は「定住者」(ただし、1年以上の在留期間を指定されている者に限る)の配偶者で、「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」をもって在留する者の扶養を受けて生活する、未成年で未婚の実子」

-----------------------------------

というのがあります。

いずれも「未成年」という言葉がありますが、

これの指す年齢が、民法改正後は20歳→18歳に引き下げられるということです。

つまり、例えば永住者の扶養を受けて生活する19歳(未婚)の実子は、

この告示の対象外となってしまうというわけです。

 

 

一方、「家族滞在」の場合は、もう少し曖昧で、

「就労ビザ等の在留資格をもって在留する外国人の扶養を受ける場合(配偶者又は子)」となり、

「未成年」という規定はありません。

なので、現在も、“扶養を受ける”という実体的な部分に鑑み、

実務上は、だいたい2223歳くらいが“扶養を受ける”子としての上限年齢だとしてとらえられています。

つまり、だいたい大学卒業くらいの年齢ですね。

おそらく、民法改正後の20224月以降も、この感覚は変わらないのではないかと推測されます。

 

 

また、「帰化申請」において、法的根拠となる「国籍法」についても、

この民法の改正を受けて、改正が行われます。

例えば、

国籍法の第5条第2項では、帰化申請ができる要件として、「20歳以上で本国法によって行為能力を有すること」と定めていますが、

施行後は、この年齢が18歳に引き下げられることが決まっています。

更に、重国籍者の国籍選択期限の基準年齢も18歳に引き下げられるため、

出生時に国籍留保を行っている場合などは、現行法では22歳までに選択を行えばよかったところ、施行後は20歳までに選択する必要が出てきます

 

なお、既に、選挙については18歳からとなっていますが、

選挙で投票できるということは、自分の意見を政治に反映さえていけるということで、

“オトナ”の一員として、しっかりとした考え方と行動が要求されます。

 

 

日本の成人年齢が20歳→18歳に引き下げられる、この民法の改正。

決して、外国人にとっても他人事ではないのです。

 

 

 

 

 

 

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